ペンタマスター、日本進出 神奈川県やジェトロが支援

半導体試験装置や自動化関連機器を手掛けるマレーシアのペンタマスター・コーポレーションは横浜市に日本法人を立ち上げ、このほど本格的な営業を開始した。日本国内の半導体関連業界向けにメンテナンスやサポートサービスを提供し、市場開拓を図る。日本への本格進出に当たっては、神奈川県や日本貿易振興機構(ジェトロ)が情報提供などで支援した。

ペンタマスターの日本法人、ペンタマスターオートメーションジャパンは昨年8月に設立された。資本金は300万円。海外での拠点設置は、米国、中国、シンガポールに続いて4カ国目となる。

ペンタマスターはこれまで代理店を通じて、日本国内の企業向けに装置販売や技術サポートを行ってきた。ペンタマスターオートメーションジャパンの漢城誠人(あやき・まこと)代表によると、日本では既に数社の顧客を抱えており、納入実績も増えつつある。半導体業界の中でも技術的に進んでいる日本に拠点を置くことで、さらなる市場開拓を目指す考えだ。

現時点では日本での製品開発、製造は検討していない。現在、マレーシア本社からエンジニアが派遣され、装置立ち上げやサポートを行っており、日本国内の顧客のサポートを日本法人のメンバーだけで完了できるようにするのが当面の目標。その後、日本国内でシェア拡大を目指していく方針だ。

■大手製造業の進出は初

これまでマレーシアから日本への進出例としては、コングロマリット(複合企業)のベルジャヤ・グループやYTLコーポレーションが沖縄と北海道でリゾートホテルを運営する例や、新興ドローン(小型無人機)サービス事業者のエアロダイングループによる現法設立などがあった。ジェトロによると、大手製造業の進出は初とみられる。

ペンタマスターの日本進出に当たっては、神奈川県が独自の企業誘致施策「セレクト神奈川NEXT」の一環としてジェトロなどと連携し、法人設立に向けた情報提供や立ち上げ時のオフィスの無料貸し出しなどの支援を行った。

神奈川県は、2005年度からこれまでに累計177社の海外企業を誘致。21年度はペンタマスターを含む13社が進出している。

<メモ>

ペンタマスター・コーポレーション

1991年にマレーシア・ペナン州で創業。半導体試験装置や自動化関連機器の製造・販売を手掛け、マレーシア証券取引所(ブルサ・マレーシア)と香港証券取引所に上場している。

直近の2021年12月期決算は、売上高が前期比21.4%増の5億839万リンギ(約141億円)、純利益が2.5%増の7,267万リンギだった。

自動化関連機器の需要急増に伴い、現在ペナン州バトゥカワンに第3工場を建設中で、23年の稼働を目指している。

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